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infected dream

idream.exblog.jp

空の色



 この空は2009年。母の病気を診てもらおうと滋賀県のある病院へとロングドライブした時の映像。たまたまだけれど久々にこれを見ながら思った。震災以前と以降、空の色が変わってしまったのかもしれないと。もちろん、同じ色の空はやってこないけれども。でも、きっと自分の心の反映なんだなと思う。
 人は疑い深くなり、敵味方を作り、未来を憂い、日本は、世界は、未来はどうなってしまうんだろうと...心のどこかに不安の影を忍ばせている。

いつかまた、美しい空を見て脳天気にも、ロマンティックになれる日が来るといいな。
# by kkkr | 2012-06-08 03:38 | 日常の中の特別

Not too late

出来上がった音楽データを、最終的に新しいコンピュータに移植して現場に向かうはずだったのだが僕の音楽データは、新しいMacはLionが住んでいて、ガオー!そう簡単には、受けいれてやらないぞーと意地悪をする。(プラグインが対応していなかった)

そんなことで、出発が大幅に遅れ焦っていた。車に乗り込み、高速に上がってちょっといつもよりアクセルを踏み気味だったのだけれど、とりあえず、カーステレオをオン。
1曲目で、ノラジョーンズが歌う。

Not too late.... Not too late....遅すぎはしない...
僕は、アクセルワークをいつもくらいに戻す。

現地に着いて、よっこらよっこらとマックを運んでいたら、なんと前方から約束をしていた方が。到着したばかりだと言う。笑

本当だ、Not too late!
ありがとう。ノラさん。
# by kkkr | 2012-05-10 00:52

分解のすすめ

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このところ、吹いていたコルネット。
当たり前だけれど、しばらくぶりに吹いたゆえ、なかなか思い通りのプレイが出来なくて、1日目はフレーズを決め、2日目にレコーディングするもだめで。3日目で、やっと、いい感じに録れた。
というわけで、またしばらく吹かないので(笑)きれいにお掃除。

しかし、このピストンバルブという仕組み。一瞬にして、管の長さを変えることが出来る。たった三つのボタンで、どうしてあんなにたくさんの音が出るのかと不思議に思う方も多いとは思いますが、3つの長さの足し算で、管の長さのバリエーションが作れること。あと、同じ長さの管で、倍音と呼ばれる、いくつかの音が、唇や、息の調整で出ることの、組み合わせで、あらゆる音程が出るわけです。

 この仕組みを考えた人には頭が下がる。この形に納まるまでには、何人ものアイデアがあったに違いない。歴史を感じるのだ。

 そして、金属加工技術にも感動する。ご存知のように、マイルスがピロピロピロと早いパッセージを放つ際にもついてくるくらいスムーズに動くこのバルブ(いやマイルスだけではないが...)。そして、その空気の行く手を決めるバルブに少しでも、息がもれるといい音が出ない。そう、車で言えば、古くなったエンジンは、ピストンが減ってしまって、隙間が出来てパワーが出ない。あれと同じだ。バルブオイルが程よい隙間を埋めるくらいの精密な出来で管楽器の演奏性は保証される。こういう技術にも、感動してしまう。技術にも、技術者にも。

 話はそれるが、僕は、車から、時計まで、あらゆるものを分解することが好きなのだ。もちろん、その目的は、修理であって壊すことではない。(笑)がしかし、たまには、壊してしまうこともる。分解しているうちに、『ここ...開けても大丈夫か!?なんだか、固いけど...、ええーい、行っちゃえー、.....パコ!』なんて瀬戸際があったりするのだが、その直前には、大量のアドレナリンが放出され、うまく空いた瞬間には、エンドルフィンや、ドーパミンなどが、大放出され、エクスタシー...なのである。(笑)その快感を求めて、夜な夜な分解する...いやいや。

 壊してしまった時には、うなだれ、後悔もする。が、しかし、結果はどうであれ、ものの仕組みを見る事は、感動なのである。と、慰めたりして。(笑)そこには、たくさんの智慧が、ちりばめられていて、それらを見る度に、唸ったり、にんまりしたり、感動の連続なのだ。いや本当に。

みなさん、壊れてしまった物を分解してみてはいかがでしょう。
そこには未知のものが待っているかもしれないですよ。楽しいですよ。そして、万が一、修理できたら、それはもう病み付きになりますよ。そして、なんか、分解したら、教えて下さい。

* 壊してしまっても、責任は取りませんが、一緒に、意気消沈、慰めてさしあげます。

それでは、この辺で...。

幸運を...




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今日の分解。『以前から壊れていた掃除機の先のぐるぐる回るブラシ』

いろいろ分解して、モータまでばらしちゃいました。
今日は、分解の神様が見方してくれました。
今は、ぐるぐる回っています。


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# by kkkr | 2012-04-18 21:16 | 日常の中の特別

WIM WENDERS "PINA"

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ヴィム・ヴェンダース, レオス・カラックス、ジム・ジャームッシュの3人の映画監督が創った作品は、30歳前後だった僕に大きな影響を与え、今も、こころのひだを手繰っていけば、そこここに見つかる。

今日はそのうちのひとり、ヴィム・ヴェンダースの新作ピナを見た。

常々、音を出す時に思うこと。
言葉では表現出来ないことを感じ、共有するために音楽をする。ということ。

村上春樹は、言葉で表す事の出来ないことを表現するために、私は物語るのです。と。この逆説的な言い回しはさすがだ。

映画の冒頭で、ピナが言う。言葉に出来ない事をダンスで話すんだと。この瞬間から、僕の胸が開いた。そして、彼らのダンスに大いに動かされた。感想など言葉には出来ない。
あ、そうだ、これは僕にとって初の3D映画だった。3Dを楽しむための映画ではなく、映画のための3D。楽しかったな。

世の中は今、いろんなところで、言葉が河のように流れていく。
その中で、人は饒舌な文章に酔う。そして、言葉の罠にはまり、実は自由を奪われている。
言葉を越えたところにあるもの。これが、僕のキーワードだと思っている。



写真/井の頭公園
# by kkkr | 2012-04-11 03:44 | 日常の中の特別

混沌の中で

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スタジオを持ってからずっと、友人であるmaki999や神谷洵平君のドラムセットがあって、それを使わせてもらうというありがたい状況でを良いことに、シンプルなリズムなどでは、ドラムを打ち込むより、自分でプレイする方が楽しくもあり、時間的にも早くもあったりで結構叩く機会が増えてきていた。

 今、絵本とのコラボレーション作品にとりかかっているのだけれど、ここでは全パートひとりで生演奏するという命題を設けて進めているいて、たまたま、ドラムがない状態があり、自分のドラムが欲しいなと思い始めていた。ただ、いかんせんドラマーではないので、セットまで持たなくても...という冷静な自分もいたりしたのだが...。そんな中、よせばよいものを、ネット上で見つけて一目惚れ。きっと実物を見ると危険だなと思ってはいたんだけれど、すぐ近くのドラムショップCanopusにあるということで我慢出来ず足を運んでしまった。外見は、とても50年近くたったものとは思えないくらいの美品。セットしてもらい叩いてみると、チューニングもとても良く、いい音がする。委託品で、前オーナーは、ただのコレクターではなく、これを楽器として大事に使っていたようなのだと解った。愛が感じられると。一瞬考えるるふりはしてみたものの、1分後には『これ下さい』と言っていた。あの冷静な方の僕はどこかへ(笑)

 Premierは、日本ではあまり見ないけれど、ロンドンにいた時リハーサルスタジオで良く見かけた。同じサイズのslingerlandのセットもあって、一瞬迷ったのだけれど、神谷君の松井さんには、イギリス製が良いと思うという言葉で決定。Pのマークがパーマンのバッジみたいで、子供の頃、おもちゃのパーマンバッジを胸につけていたことを思い出す。60年代のもので、バスドラムは18インチ。小さめのキット。バスドラムのリムの黒の塗装が薄くなっているところから見える木目や、金属パーツの華奢で繊細な感じが、たとえば、車で言うなら、60年代のトライアンフや、ロータスなんかの、金属パーツや、ウッドパネルやハンドルなどと共通する、どこか華奢でエレガントな感じが、どうしようもなく胸をときめかせた。

やれやれ、断捨離などというものがはやっているこの時代に逆行している。
こうなったら、好きなものに埋もれて混沌へ。
混沌の中で、悟りましょう。
# by kkkr | 2012-03-23 04:17 | 音楽