
もう、15年ほど前に作った曲にQuiet life というのがある。
今日、目にとまった写真集があった。同名。
Quiet life/Cacadu Village,Eastern Ca
著者: 前田春人 出版社:青幻舎
アパルトヘイトにより、土地を奪われた人達が移り住んだ痩せた土地での生活。
ものに溢れた僕らの生活とは、対照的な生活。
厳しい生活を強いられたに違いない老人達の顔は、虐げられたににも関わらず、誇り高い顔をしている。地平線と空の狭間に生きる美しい人達の生活をモノクロームで納めている。

仕事の時間調節もあったことから、幸せにも見れた映画
モーターサイクルダイアリーズ
これは、キューバ革命のヒーロー、チェ・ゲバラが学生時代の南米バイク旅行時に残した日記が元になった映画。
この映画の主役は、エルネスト(チェの本名)達二人ではないかもしれない。言葉も与えられないで、登場する役の名前さえあるのかどうかわからない、多くの南米の人達。彼らの顔は、明らかに、先進国と呼ばれる国に育った人間にはない顔があった。険しさ?悲しみ?苦しみ?こんな陳腐な言葉では言い表せない表情があった。そして、それらは一瞬、醜く見える。顔を背けたくなる。しかし、背けたくなるのは、そういう表情を見たくないのは、先進国人が蓋をし続けて来た、無視し続けて来たものを直視することからの逃避ではないかと思った。醜いのは、僕の心であって、彼らの顔は美しい。
最後の最後に現れる老人。彼こそ本物のエルネストの相棒アルベルト。映画の中のアルベルトも魅力的だったが、本物はやはり本物だった。彼の顔に深く刻まれた皺(しわ)は圧倒的だった。
あと、もうひとつ。音楽が最高。
こららの本、映画の中の人達の顔には、深い深い皺(しわ)があった。そして、光り輝く目、頬、額・・・。
以前、東北を旅行したときに、温泉に入ってきた老人の体を見て驚いた。ゴリラのように曲がった腕、背、股。筋肉に覆われていた。顔には、深い皺が刻まれていた。農家の老人だと思う。その体を見たとき、本当に美しいと思った。モデルのような作られた体ではなく、必要に応じて自然的に作られた体。そのことを思い出した。
僕も、あんなに深い皺のある顔を手に入れることが出来るだろうか。