ヴィム・ヴェンダース, レオス・カラックス、ジム・ジャームッシュの3人の映画監督が創った作品は、30歳前後だった僕に大きな影響を与え、今も、こころのひだを手繰っていけば、そこここに見つかる。
今日はそのうちのひとり、
ヴィム・ヴェンダースの新作ピナを見た。
常々、音を出す時に思うこと。
言葉では表現出来ないことを感じ、共有するために音楽をする。ということ。
村上春樹は、言葉で表す事の出来ないことを表現するために、私は物語るのです。と。この逆説的な言い回しはさすがだ。
映画の冒頭で、ピナが言う。言葉に出来ない事をダンスで話すんだと。この瞬間から、僕の胸が開いた。そして、彼らのダンスに大いに動かされた。感想など言葉には出来ない。
あ、そうだ、これは僕にとって初の3D映画だった。3Dを楽しむための映画ではなく、映画のための3D。楽しかったな。
世の中は今、いろんなところで、言葉が河のように流れていく。
その中で、人は饒舌な文章に酔う。そして、言葉の罠にはまり、実は自由を奪われている。
言葉を越えたところにあるもの。これが、僕のキーワードだと思っている。
写真/井の頭公園