
スタジオを持ってからずっと、友人であるmaki999や神谷洵平君のドラムセットがあって、それを使わせてもらうというありがたい状況でを良いことに、シンプルなリズムなどでは、ドラムを打ち込むより、自分でプレイする方が楽しくもあり、時間的にも早くもあったりで結構叩く機会が増えてきていた。
今、絵本とのコラボレーション作品にとりかかっているのだけれど、ここでは全パートひとりで生演奏するという命題を設けて進めているいて、たまたま、ドラムがない状態があり、自分のドラムが欲しいなと思い始めていた。ただ、いかんせんドラマーではないので、セットまで持たなくても...という冷静な自分もいたりしたのだが...。そんな中、よせばよいものを、ネット上で見つけて一目惚れ。きっと実物を見ると危険だなと思ってはいたんだけれど、すぐ近くのドラムショップCanopusにあるということで我慢出来ず足を運んでしまった。外見は、とても50年近くたったものとは思えないくらいの美品。セットしてもらい叩いてみると、チューニングもとても良く、いい音がする。委託品で、前オーナーは、ただのコレクターではなく、これを楽器として大事に使っていたようなのだと解った。愛が感じられると。一瞬考えるるふりはしてみたものの、1分後には『これ下さい』と言っていた。あの冷静な方の僕はどこかへ(笑)
Premierは、日本ではあまり見ないけれど、ロンドンにいた時リハーサルスタジオで良く見かけた。同じサイズのslingerlandのセットもあって、一瞬迷ったのだけれど、神谷君の松井さんには、イギリス製が良いと思うという言葉で決定。Pのマークがパーマンのバッジみたいで、子供の頃、おもちゃのパーマンバッジを胸につけていたことを思い出す。60年代のもので、バスドラムは18インチ。小さめのキット。バスドラムのリムの黒の塗装が薄くなっているところから見える木目や、金属パーツの華奢で繊細な感じが、たとえば、車で言うなら、60年代のトライアンフや、ロータスなんかの、金属パーツや、ウッドパネルやハンドルなどと共通する、どこか華奢でエレガントな感じが、どうしようもなく胸をときめかせた。
やれやれ、断捨離などというものがはやっているこの時代に逆行している。
こうなったら、好きなものに埋もれて混沌へ。
混沌の中で、悟りましょう。