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少し遅くなってしまいましたが、30日のライブに来て下さったみなさんありがとうございました。また、来れなくても、わざわざメッセージを下さった方々にも、とても感謝しています。久しぶりに顔を見せてくれた友人達も、たくさんいて、心がポクポクしました。
実のところ、今回の出演者でもあるドラムの森さんから、最初イベントにお誘い戴いた際、実はあまり気が進まなかったのですが、森さんの熱意のあるお誘いで、少し考えさせて頂いている間に長く封印していたライブへの欲求に火がついたようで、やってみようと思い立ったのでした。また、その頃、亡くなった友人、菊池ケンジ君(salmon) を囲み、久々にmaki999とも再会し、彼を含め僕達が一緒に音を出していたバンドの音源を聞いたりしたことで、maki999とまた音を出すことがなにか意味のあることのように、僕には思えたのでした。彼女も口に出しては言わないけれど、きっと同じように感じていてるのだと思います。最後のリハーサルの後、2人で、彼の音を聞いたのでした。
イベントloopers loungeは、ループマシンを駆使してひとりで世界を築き上げるアーティストのイベント。黙々と、瞑想するかのように音を編んで行く彼らのストイックな姿勢には凄みがあり興味深いです。ただ、僕個人の今の気分は、少し違ったベクトルでなにかパフォーマンスをしたいと思たのでした。そういえば、salmon、彼の音への追求は、ストイックでとても緻密でした。が、ステージに立つ時には豪快に人を喜ばせたり驚かせることをいつも楽しんでいました。まあ、彼のようにユーモアのセンスが僕にはないので、僕なりの方法で。
そして、メディアアート作品や、仕事で、お世話になっている、on the flyの緒方さんに協力を得ることが出来ました。彼は、デザイナーであり、エンジニアでもあります。外観、デザインはハードを包み込む器ではなく、ハードとデザインが一体化したプロダクトが一番美しいという考え、言わば右脳的なものと左脳的なもの両方兼ね合わせ持ったプロダクトデザイナー山中俊治氏の元でも働いたこともあります。彼はその系譜を引き継ぎつつも、氏とは違う独自のセンスで今は、プロダクトデザイン、アート、ロボット、はたまた宇宙にまでフィールドを拡げています。あ、これは秘密だったか....。今は、スタジオをシェアするようになり、幸運にも、彼からの刺激を毎日貰っています。
今回の、新しい楽器は、言わば、空中サンプラー?と映像を合体させたもの。常々、DJ がパソコンを覗き込んでのDJプレイや、光るパッドをサンプラーを操るものを見ていていつも思うのは、なにをやっているのか解らないということ。また、映像も、音楽と映像が、本当の意味で、交わることが出来ないものかと。この二つのことをクリアした楽器があればと。
好き勝手に空想することを、緒方さんに話す。そうすると、それならこういうことが出来る。といろいろとその手だてを与えてくれる。そして、またそれを聞いて、それなら、それを使ってこんなことは出来ないかと投げかける。出来ないだろうなあと駄目もとで聞くのだけれど、出来ますよと答えが帰って来る。驚く(笑)ただ、実際、プログラムを書き始めて、出来上がるまでには、途中にいろんな、思わぬ難関が待ち受けていて、出来ないこともあるのだけれど、その度に、操る方法を考え直してみたり、アイデアを練り直してみる。道具(プログラム)がある程度出来た段階で、そこから先、音や映像に繋げるところは僕の役割で、音楽自体をすることとは別に、そんな実験と試行錯誤の日々が続く。また、それとは、別に、ギターから出す音、エフェクトなどを、こつこつと創り上げて行く。仕事の後、毎夜毎夜、夢中になって、朝まで。
出来上がった楽器。空中にある架空のパッドを触ることで、音を映像を発することが出来る楽器。誰かが、今の時代の、テルミンって言ってたな。ピアノとあの光は、前日の夜中の4時ごろ、映像とともにiPhoneで録音したもの。ご近所さん、ごめんなさいと思いながら....(朝、起きたら窓が空いていて愕然)
一番大切なこと。それは、音楽、パフォーマンス。手法ではなくて、音楽。
そこをはずさないよう、これからも面白いことに挑戦していきたいと思います。
最後になりますが、もう一度。
maki999、緒方さん、そして、いろんな形でサポートしてくる人。声をかけてくれた人。急な案内にも関わらず、足を運んでくれた人。急過ぎて来れないよと文句を言ってくれた人。あと、心の中で気にかけてくれた人。salmon... みんなに感謝を。ありがとう。