DVDが届いた。
Theo Jansen / STRANDBEAST
オランダからのアーティスト、
テオ・ヤンセン -Theo Jansen -の展覧会が
日本科学未来間で開催されている。今回の展覧会において、制作されたDVDの音楽を担当させてもらった。
テオ・ヤンセン氏は、この20年余りを、このSTRANDBEAST、浜辺の生命体(彼はそう呼ぶ)を生み出すことに費やし、そして、昨今、BMWのCMに使われたことにより日の目を見ることになったのだ。どこにでもある、プラスチックチューブ(オランダでは水道管に使われているらしい)と結束バンド、ペットボトルのみで作り上げられた生命体は、風の力を溜め込み、動き始める。風が強すぎると、羽を縮めたり、海に使ったら方向転換をしたり、まさに、テオ・ヤンセン氏が創造した生命体
だ。TRANDBEASTの動きは独創的で、きっと誰からも理解されなかった期間が長かっただろう。浜辺にいる変人とさえ、捉えられていたのではないかと想像することは容易いことだ。
このDVDの中で、彼は言う。
『これらの生命体がここで、生き続けてくれるなら、私は安心して命を全うできるでしょう。私はこの浜辺の近くで育った。今も、この浜辺で遊んでいるのです。』と。なんとロマンチックなのでしょう。初めて、これらの作品に触れた時、彼が、人の評価よりも自らが心から面白いと信じていることをやり続けてきたその姿勢に心を打たれ、勇気づけられ、大きく動かされた。常々思っていたことだけれど、才能よりもひとつのことを情熱を持ってやり続けることの方が大切だということを目の前で見せてくれるようなアーティストだ。
そのテオヤンセン氏の作品や、制作現場、彼の考えなどを収めたDVDの音楽を担当できることは、僕にとって大変光栄であり喜びでした。そして、今作では、友人でもあるGWAGWAの島田さんが映像編集を担当し、ナレーションには、音楽を一緒につくった歌い手でもあるHiro-a-key君、そしてカバーデザインに、野村真美さんという、仲間でこれらの喜びをシェアー出来たことに感謝し、このチャンスを下さったMEDIA FORCE、そしてELMの松下さんにお礼を申し上げたい。
未来館へ一度足を運んで触れてみて戴きたいと思うと同時に、STRANDBEAST達が、テオの浜辺で生きる姿を是非DVDでご覧戴きたいと願い、音楽も楽しんでいただけるなら幸せこの上ないことです。