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infected dream

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十五夜

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十五夜。
昔話の語りを聞く会が、深大寺の深沙堂で開かれた。
夕方になって少し涼しくなった風の中、自転車を飛ばした。

お堂の前に、提灯が飾られ、その参道に御座が敷かれている。
僕が、ついた頃には、すでに50名ほどの人たちがうちわを片手に、
笑顔をいっぱいに始まるのを待っていた。
みるみるうちに人が増えて、開演の6時前には、
用意された客座はいっぱいになった。

深大寺は、植物園や、公園、小さな森の中にある。
いつもそこだけ、空気が違う。

ぼんやりと提灯に照らされたお堂をバックに、
語りの「ちんじゅの森」のお二人が登場。
勝手に想像していた、『老人が本を読んで聞かせてくれるようなもの』ではなかったけれど、「さるかに合戦」「浦島太郎」「桃太郎」「傘地蔵」の4つの話を、楽しく聞かせてもらった。知っていた話も、実は忘れていたり、わかっていても、感動したり...。

物語とは、情報ではないんだ。
語る人の心とともに人の心に伝わっていくんだと改めて教えてもらった。

会が終わり、木の間から見上げた月。
天気が、あんまりよくなかったけれど、
少しだけ、顔を出して僕らに微笑んでくれたのかな。

お堂から、歩いた小道。ちゃんと夜らしく暗かった。
木の上の方から聞こえる鈴の音のような虫の音や、
夏の終わりを楽しむ学生達の騒ぐ声を背景に、
僕は、公園のベンチで夢の中にいたようだ。
懐かしいような、美しい声をずっと聞いていたような気がする。
心地よいその響きは、一瞬、僕を包んでまた風のように通りすぎていった。

突然、降り出した雨は十五夜の月見の終わりを知らせる。
大きな木は、その夏の葉で心地よい暖かい音を立てながら大粒の雨から
守ってくれた。

雨の中、ゆっくりゆっくり
一瞬、一瞬を味わうように自転車を進めた。
少し冷たくなった雨が、なんだか気持ちよかった。
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by kkkr | 2008-09-16 03:09 | 日常の中の特別
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