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infected dream

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地響き

春になると、さらさらとまるで海のそばにいるかのような気分にさせてくれた大きな木が切られている。空き家になった隣の庭にあった、高さ15m〜20mくらいの大きな木。いつも部屋から、その木に癒されていた。

 声をかけてみた。
『切っちゃうんですか』
『これからは、落ち葉が落ちなくて迷惑かけなくていいでしょう』
『いえ、僕はいつもこの木には、癒されていたんですがね。』
『あら、そう、残念ね』
で会話が途切れた。これ以上、僕が言えることはなかった。

 何十年もかけてこの地で、育った木。その音や、光や、匂い、いろんな意味で、人と関わって来たあの木。人間支配の世の中、しようのないことなのかもしれないが、「ご近所の迷惑」ということで切られるのは、悲しい。落ち葉が迷惑だから切られる木というのは、わんわん吠えてうるさい犬を保健所に連れて行く飼い主や、おむつをしなくてはいけなくなった老人を殺すのと同じではないのかなあ。

 大きなことも大切だけれど、こういう小さなレベルでの人の考え方、人が密集して生きて行く中での寛容さや、ゆとりについての考え方なんかを変えて行かないと、温暖化を防ぐことや、はたまた世界平和なんてやってこないんじゃないかと。

 いじめの問題もそうだけれど、いじめる人間を教室の外へおいやってあとは、知らんというような、内と外、敵味方的な考え方。塀の内側と、外側。人の心に、くっきり境界線が見える。

 日本人は、はっきりせんな〜と外人に言われて、物事はくっきりはっきりが良いという風潮になってしまったけれど、日本人の、曖昧な部分、少し取り戻した方がいいのではないかなあ。

木を切る、電動のこぎりの音と、時折、木が地面におちるドーンという地響きがする。
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by kkkr | 2007-02-21 12:48
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